ミラノはイタリアを代表する商業都市でありながら、振り返ればローマ帝国時代までさかのぼれる歴史もある街です。
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロといったルネサンス期の天才による美術作品や建築物が現存しています。
ミラノの観光スポットは市内中心部に集中しており、観光するにはもってこいの町です。
この記事では、ミラノ観光のお勧めスポットをご紹介します。

美味しいイタリア料理もミラノ観光の魅力ですが、この記事では観光スポットのみをご紹介します。
ミラノの概要
ミラノはイタリア北部の中心都市です。人口は約140万人であり、首都ローマに次ぐ第2の都市圏人口を有しています。
温暖湿潤な気候であり、7月の最高気温は30℃前後、1月の最高気温は5℃前後と、東京と似たような気温です。
ミラノ市内の交通機関は、地下鉄・バス・市電など充実しています。観光客にとって利用しやすいのは地下鉄です。
市内中心部の範囲であれば利用料金は1回の乗車で€2であり、お得な1dayチケットも販売されています(2021年8月現在)。詳細は公式ウェブページをご参照ください。
ミラノへのアクセス
ミラノには2つの国際空港があります。
- ミラノ・マルペンサ国際空港
- ミラノ・リナーテ国際空港
マルペンサ国際空港が国際線中心、リナーテ国際空港が国内線やヨーロッパ線などの比較的短距離の便が中心の空港です。
日本からミラノへは直行便で約12時間ですが、2021年8月現在、直行便を運航している航空会社は無いようです。
東京・羽田空港とミラノ・マルペンサ空港の直行便が2020年4月20日よりANAから就航予定でしたが就航を延期しています。
直行便以外だと、ローマのフィウミチーノ空港(レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港)を経由してミラノに入るルートがあります。
東京・羽田空港からミラノ・リナーテ国際空港までローマ・フィウミチーノ空港経由で行った場合、乗り換え時間が1.5時間として合計約15時間40分かかります。
観光スポット
ここからは、ミラノのおすすめ観光スポットをご紹介します。
ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)


全長157m、高さ107.5m、面積11,700m2もある世界最大級のゴシック様式の建築物。ミラノ大聖堂の建築工事は1386年にはじまり、終了するまで500年もの歳月がかかりました。
ミラノ大聖堂はミラノの中心に位置する町のシンボルです。
ミラノ大聖堂の見学は大きく分けて4つのエリアに分かれています。
その中でも、大聖堂と屋上はぜひ見学して頂きたいエリアです。


多くの見所がありますので、ミラノ観光のハイライトとして、ミラノを訪れた際はぜひ訪問をご検討ください。
ミラノ大聖堂へは、地下鉄M1路線もしくはM3路線の「Duomo」駅から徒歩1分で到着します。
周辺には、「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」や「スカラ座」など様々な観光スポットがありますので、ミラノ大聖堂を中心にコースを考えると効率よくミラノが観光できます。
ミラノ大聖堂については、下記の記事で詳細を紹介していますので参考にしてください。


ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア


ミラノ大聖堂とスカラ座の間を結ぶアーケード。19世紀後半に12年もの歳月をかけて建造されました。
様々な高級ブティックやレストラン、カフェなどが軒を連ねており、たくさんの人で賑わっています。
屋根は美しいドーム型になっており、中央十字路の頭上には美しいフレスコ画が飾られています。
このガッレリアは東京ディズニーランドのワールドバザールのモデルにもなっています。


ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアはミラノ大聖堂のすぐ隣にあります。
スカラ座


世界で最も有名なオペラ・ハウスの1つで1778年に建設されたネオクラシック様式の建築物。
スカラ座博物館が併設されており、スカラ座の歴史や記念品のコレクションを楽しむことができます。
スカラ座の前のスカラ広場にはレオナルド・ダ・ヴィンチの像があります。
周りにはベンチが設置されており、歩き疲れた際の一休みにはもってこいの場所です。


スカラ座はミラノ大聖堂からヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアを抜けた先にあります。
スフォルツェスコ城


1450年にミラノ侯爵のフランチェスコ・スフォルツァが、かつてミラノの領主であったヴィスコンティ家の城を改築して築いた城塞。
建築されてから多くの改築がされてきましたが、18世紀後半に建築家ルカ・ベルトラミの指揮のもと、かつての姿に修復されました。
正面にはトーレデルフィラレーテと呼ばれるシンボリックな塔がそびえ立っています。
スフォルツェスコ城の周囲は圧倒されるほど高い胸壁で取り囲まれています。


トーレデルフィラレーテから城の中に入ると、コルタイルデッレアルミと呼ばれるかつて練兵場として使われていた中庭に着きます。


中庭からはボナ・デイ・サヴォイアの塔と呼ばれる高い塔が見えます。この塔は刑務所として利用されていた歴史があります。


スフォルツェスコ城は博物館も併設されています。そこにはミケランジェロが生前最後に制作していた作品「ロンダニーニのピエタ」(未完)をはじめ、ミラノ周辺に関わる重要な美術品が所蔵されています。
晩年のミケランジェロは視力を失っているにもかかわらず、手探りでノミをふるい、病に倒れる前日まで「ロンダニー二のピエタ」の制作を手掛けていたと伝えられています。
スフォルツェスコ城へは、地下鉄M1路線の「Cairoli」もしくはM2路線の「Lanza」駅から徒歩3分で到着します。
最後の晩餐(ドメニコ会修道院)


レオナルド・ダ・ヴィンチによって1495年から1497年の間に描かれた作品であり、キリスト教の新約聖書に記されているイエス・キリストと12使徒による最後の晩餐を題材とした壁画。
ドメニコ会修道院の食堂の壁に描かれており、縦420cm、横910cmもある巨大な壁画です。
『レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院』としてユネスコの世界遺産に登録されています。


最後の晩餐を見学するためには事前予約が必須です。日本からも約2か月前から公式ウェブページで予約できます。
ドメニコ会修道院のチケットカウンターで直接予約することもできますが、ほとんど予約で埋まっているため事前予約をお勧めします。
ドメニコ会修道院へは、地下鉄M1路線の「Conciliazione」から徒歩4分もしくはM2路線の「Cadorna FN Triennale」駅から徒歩7分で到着します。
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会


ドメニコ会修道院に隣接する教会で、1469年に完成したミラノにおけるルネサンス期最大の建築物。
最後の晩餐があるドメニコ会修道院と合わせて世界遺産に登録されています。
建物そのものもさることながら、イタリアのルネサンス期を代表する建築家であるドナト・ブラマンテが手掛けた聖具室の回廊と呼ばれる回廊付き中庭も有名です。中央に噴水がある中庭を囲むように回廊が走っています。
回廊からはブラマンテが手掛けた円蓋やルネサンス様式の装飾が見られます。


サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会はドメニコ会修道院のすぐ隣にあります。
まとめ
この記事ではミラノ観光についてご紹介しました。
世界最大級のゴシック様式の建築物である「ミラノ大聖堂」やレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」など、ルネサンス期の傑作がミラノには残されています。
観光スポットが市内中心部に集中していることも観光客にとっては魅力的です。
ミラノの魅力が少しでも皆様に伝わっていれば嬉しいです。
以上、「ミラノ観光ールネサンス期の建築・美術を残す街」でした。
コメント