ジェロニモス修道院とベレンの塔はどちらもリスボンのベレン地区にあります。
ベレン地区にはジェロニモス修道院とベレンの塔の他にも様々な観光名所があり、リスボン観光のハイライトと言えます。
この記事では、ジェロニモス修道院とベレンの塔についてご紹介します。

どちらも大航海時代のポルトガルの栄光を感じられる豪華絢爛な建築物でした。ぜひ最後までご覧ください。
概要


ジェロニモス修道院とベレンの塔は16世紀にポルトガルで流行したマヌエル様式を代表する建築物です。
マヌエル様式の特徴の1つは、大航海時代に海外交易で得た莫大な利益を誇示するかのように過剰に装飾されていることです。
1983年に「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」として、ポルトガル初のユネスコの世界遺産に登録されました。現在もリスボンにある唯一の世界遺産です。
アクセス
ジェロニモス修道院とベレンの塔は両方ともベレン地区にあります。
リスボンの中心街からベレン地区への移動には、電車、バス、トラムのどれでも利用できますが、トラムが比較的利用しやすいと思います。
15Eのトラムに乗車し、「Mosteiro Jerónimos」駅で下車すれば、ジェロニモス修道院は目の前です。
ジェロニモス修道院とベレンの塔の間は歩いて15分程度の距離です。
入場料(2021年8月時点)
ジェロニモス修道院の入場料は€10、ベレンの塔の入場料は€6です。チケットは現地の窓口で購入することができます。
チケットを個別に購入することもできますが、リスボン観光にはリスボンカード(Lisboa Card)の利用がお得です。
リスボンカードを購入すると、観光客向けの以下のサービスが利用できます。
- 地下鉄やバス、トラム、電車(近郊都市間に限る)などの公共交通機関の利用
- 37の美術館、モニュメントの入場
- その他さまざまなサービスの割引
もちろん、ジェロニモス修道院やベレンの塔も入場できます。
24時間有効のリスボンカードは€20なので、ジェロニモス修道院やベレンの塔以外のベレン地区の観光や往復の交通費を考えるとすぐに元が取れます。
リスボンカードは事前にオンラインサイトでも購入できますし、現地の観光案内所でも購入できますので、スケジュールに合わせてご購入を検討ください。
ジェロニモス修道院


ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓やエンリケ航海王子の偉業をたたえてマヌエル1世が1502年に着工、約1世紀の期間をかけて完成させた修道院。
ジェロニモス修道院のファサードの長さは約300mにもなり、その門や壁には細かな装飾がされています。大航海時代に得られたポルトガルの富を注ぎ込んで建築しただけあり、その壮大さや華麗さは目を見張るものがあります。
サンタ・マリア教会が併設されており、そちらも見学できます。
ヴァスコ・ダ・ガマの石棺とルイス・デ・カモンイスの石棺


サンタ・マリア教会には、インドへの航路をヨーロッパ人としては初めて発見したと言われているヴァスコ・ダ・ガマの石棺が安置されています。


ヴァスコ・ダ・ガマの石棺の向かい側には、ポルトガルで最も有名な詩人のひとりであるルイス・デ・カモンイスの石棺が安置されています。
内陣と身廊


細かな装飾がなされた高い柱に支えられたアーチ形の天井により、サンタ・マリア教会の身廊には大空間が広がっています。
これらの柱はヤシの木をモチーフにしていると言われており、天井に向かって円弧を描いて広がっていく形が特徴的です。


内陣の左側にはマヌエル1世と王妃マリアが、右側にはジョアン3世と王妃カタリナの棺が安置されています。
主祭壇の後ろ側には宮廷画家ローレンソによるキリストの生涯を描いた5つの絵画が飾られています。


南門


サンタ・マリア教会に通じる南門は、聖母マリア像を中心に24人の聖人や聖職者の像により装飾されており、マヌエル様式の建築物として高い評価を得ています。
パステル・デ・ベレン


忘れてはいけないのがジェロニモス修道院のすぐ横にある「パステル・デ・ベレン」というパステル・デ・ナタ(エッグタルト)のお店です。
パステル・デ・ナタはポルトガルの伝統的なお菓子です。
パステル・デ・ベレンはジェロニモス修道院から伝えられたレシピを1837年の創業当初から守り続けている老舗です。
出来立てのパステル・デ・ナタは最高においしいので、ジェロニモス修道院を訪れた際はぜひお立ち寄りください。
ベレンの塔


ジェロニモス修道院と同様に、ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓の偉業をたたえてマヌエル1世の指示により1514年に着工、1519年に完成したマヌエル様式の要塞。
要塞ではありますが、その外観は多くの装飾がされている美しい建築物です。
堡塁


ベレンの塔はテージョ川を渡る船舶を監視する要塞としての役割を持っていました。
そのため、建物内にはテージョ川に向かって大砲が並べられた堡塁があり、要塞としての面影を残しています。
テラス


ベレンの塔にはテージョ川に迫り出したテラスが設けられています。
マヌエル様式の傑作の1つだけあり、要塞とは思えないような細やかで華麗な装飾が壁や手すりを彩っています。
テラス中央には、かつて船乗りたちが航海の安全を祈願したと言われている聖母マリア像が飾られています。


屋上


狭い階段を上がった先にある屋上は展望エリアになっています。
かつて船舶の監視をしていただけあり、屋上からはテージョ川が一望できます。
南東側からは、リスボンの革命を記念して改名された4月25日橋や巨大なキリスト像であるクリスト・レイ像を望むことができます。


まとめ
この記事では、ベレン地区の世界遺産「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」を紹介しました。
ベレン地区は、ジェロニモス修道院やベレンの塔の他にも発見のモニュメントなど見所がたくさんあります。
リスボン観光のハイライトとして訪問を計画することをおすすめします。
以上、「ジェロニモス修道院とベレンの塔 大航海時代の栄光が残る豪奢な世界遺産」でした。
コメント