ポルトガルの首都、リスボンは魅力的な観光地ですが、リスボンの周辺にも素晴らしい観光地がたくさんあります。
シントラは1995年に「シントラの文化的景観」としてユネスコの世界遺産に登録されたほど魅力的な景観を持った観光地です。
また、ユーラシア大陸最西端のロカ岬へのアクセスも良く、併せて観光することができます。
この記事では、リスボンからシントラ・ロカ岬へ日帰り観光する際の情報をご紹介します。

この記事は2021年9月時点の情報に基づいて作成しています。訪問される際は最新情報の確認をよろしくお願いします。
シントラの概要


シントラはリスボンから西に28kmほど離れた場所にある街です。
イギリスの詩人バイロンが「この世のエデン」と讃えたほど美しい町であり、リスボンからの日帰り旅行も可能な観光スポットとして人気があります。
シントラの宮殿群や城跡、庭園などの景観がヨーロッパ全体の建築、造園の発展に影響を与えたことなどが評価され、1995年に「シントラの文化的景観」として世界遺産に登録されました。
アクセス
シントラとロカ岬を日帰り観光する際は、リスボン ➡ シントラ ➡ ロカ岬の順番で訪れることをお勧めします。
リスボンを朝出発すると、ちょうど夕方にロカ岬を訪れることができるためです。
天気が良ければ、ユーラシア大陸最西端のロカ岬で西の海に沈む夕日を眺める幸運に恵まれるかもしれません。
ここでは、上記の順番で観光する際のアクセス方法をご紹介します。
リスボン~シントラ
リスボンからシントラへの移動は電車を使うのが便利です。
リスボンの中心街にあるロシオ駅からシントラ駅まで約40分程度で到着します。
電車のチケットとシントラーロカ岬間を含む様々な路線バスで使えるチケットがセットになった観光者向け周遊パス(Train & Bus)がリスボンの都市鉄道の切符売り場または券売機で販売されています。
お得なので購入をおすすめします。
このパスは€15.80です。”Viva Viagem”カードを持っていない場合、このカードの発行費用(€0.50)が追加で発生します。
“Viva Viagem”カードは日本で言うところのSuicaカードのようなものです。お金をチャージして、電車やバスなどの乗車に使うことができます。
シントラ~ロカ岬
シントラからロカ岬までは、シントラ駅前のバスターミナルから403番バスに乗れば45分ほどで最寄りのバス停「Cabo da Roca」に到着します。
バス停からロカ岬までは歩いてすぐです。
ロカ岬~リスボン
ロカ岬からリスボンに戻る際は、来た経路を戻ってもよいのですが、カスカイスを経由してリスボンに戻るルートの方が早くリスボンに帰れます。
ロカ岬からカスカイス駅までは、シントラからロカ岬まで来るのに利用した403番バスで行くことができます。
カスカイス駅からリスボンへは電車を利用します。出発の際に利用したロシオ駅ではなく、カイス ド ソドレ駅に到着します。
ロカ岬からカイス ド ソドレ駅までは、おおよそ1時間半ほどです。
シントラの見所
ここでは、シントラ観光の見所をご紹介します。
シントラには半日では周り切れないほど沢山の宮殿や庭園などがありますが、日帰り観光を前提として特におすすめの見所をご紹介します。
ムーアの城跡


シントラの町からほど近い山の上に築かれた城の跡。この城は8~9世紀頃にムーア人によって建設されたと言われています。
1147年に初代ポルトガル王であるアフォンソ・エンリケス王によって落城されました。
最も高い場所までは片道で30分位です。かなり急な階段などもありますので、歩きやすい服装・靴での訪問をお勧めします。


ムーアの城跡からはシントラの町を一望することができます。


ペーナ宮殿も城跡から見ることができます。ペーナ宮殿は様々な建築様式が採用されており、まとまりのなさ・不自然さが不思議な魅力となっています。


シントラ国立宮殿も見ることができます。


入場料は下記の通りです。
年齢 | 入場料(€) |
---|---|
大人(18歳から64歳まで) | 8 |
子供(6〜17歳) | 6.5 |
シニア(65歳以上) | 6.5 |
ムーアの城跡はその歴史的価値を感じられることもさることながら、そこからの景色も楽しむことができる観光スポットです。
シントラ駅から城跡の入り口の最寄りのバス停「Castelo dos Mouros」までは434番バスで15分程です。
ペーナ宮殿


標高529mのモンタ・ダ・ペナの山頂に建てられた宮殿。
1755年のリスボン地震の際に廃墟となった修道院跡をフェルナンド2世が購入し、王室用の夏の宮殿の建設に着手、1885年に完成しました。
ゴシック、イスラム、ルネッサンス、マヌエルなど様々な建築様式を取り入れて建築された宮殿には奇妙な魅力を感じます。


まるでテーマパークの建物のようですが、かつては実際に王族が過ごしていました。
様々な装飾が建物になされていますが、特に異彩を放っているのが海神トリトン像です。この像は「世界の創造」を表しています。


入場料は下記の通りです。
年齢 | 入場料(€) |
---|---|
大人(18歳から64歳まで) | 14 |
子供(6〜17歳) | 12.5 |
シニア(65歳以上) | 12.5 |
ペーナ宮殿は世界遺産「シントラの文化的景観」のハイライトとも言える観光地です。シントラを訪れた際はぜひお立ち寄りください。
シントラ駅からペーナ宮殿の最寄りのバス停「Palacio da Pana」までは434番バスで10分程です。
王宮(シントラ宮殿)


シントラの街の中心にある宮殿。かつてはムーア人支配者の住居でしたが、アフォンソ・エンリケス王によってシントラの支配権と同時にポルトガル王家に所有権が移りました。
ムーア人支配者や初期のポルトガル王族が使用した建築物はほとんど現存していません。現存している建物は、1415年頃からジョアン1世が後援した増改築部分と、マヌエル1世が行った増改築部分です。
王宮の室内の装飾は、宮殿に住んだ王族の趣向を反映して様々な芸術様式が採用されています。
多くの美しい部屋がありますが、特に、白鳥の間、カササギの間、紋章の間、礼拝堂が有名です。


“Palácio Nacional de Sintra, the Sala dos Brasõe” © Dguendel, CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0, via Wikimedia Commons.
建物外観では、台所に設けられた2本の円錐形をした煙突が特徴的です。
この煙突は高さが33メートルもあり、シントラの町中から見ることができる、まさに王宮のシンボルです。


入場料は下記の通りです。
年齢 | 入場料(€) |
---|---|
大人(18歳から64歳まで) | 10 |
子供(6〜17歳) | 8.5 |
シニア(65歳以上) | 8.5 |
シントラ駅からシントラ国立宮殿までは徒歩で10分程です。
ロカ岬


北緯38度47分、西経9度30分に位置するユーラシア大陸の最西端の岬。
大泉洋さんの出世作、水曜どうでしょうのヨーロッパ20ヵ国完全制覇の目的地としてご存じの方も多いのではないでしょうか?
岬にはポルトガルの詩人カモンイスが詠んだ詩の一節「AQUI… ONDE A TERRA SE ACABA E O MAR COMECA(ここに地果て、海始まる)」が刻まれた石碑が立っています。
ユーラシア大陸の最西端で、遥かに続く大西洋に沈む夕日を見るのは感動的です。


ロカ岬には土産物屋があります。有料にはなりますが、ここでは最西端到達証明書を入手することができます。
すぐそばに、1772年に操業を開始したポルトガルで2番目に古いカボダロカ灯台があります。
高さは22mの小さな灯台ですが、可愛らしい外観なので併せての観光をお勧めします。


シントラからロカ岬への行き方はこちらをご参照ください。
まとめ
この記事では、シントラとロカ岬を巡るリスボンからの日帰り観光をご紹介しました。
シントラは多くの宮殿や公園が点在する美しい街です。
ここでは紹介しきれなかった観光スポット(例えばレガレイラ宮殿)も多数存在します。
もし時間があれば、シントラに宿泊してゆっくりとシントラを観光するのもよいかと思います。ぜひご自身なりの観光プランを計画してみてください 🙂
以上、「リスボン近郊日帰り観光ーこの世のエデン「シントラ」と地果て海始まる地「ロカ岬」を巡る」でした。
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