エヴォラはリスボンから東に130kmほどに位置するアレンテージョ地方の中心都市です。
「エヴォラ歴史地区」として1986年にユネスコ世界遺産に登録されており、歴史的に貴重な建築物が遺されています。
リスボンからも比較的近く、長距離バスや急行列車などの交通機関が整っているため、リスボンからの日帰り観光も可能なお勧めの観光地です。
この記事では、エヴォラへのアクセス方法や観光スポットをご紹介します。
少しマイナーな観光地かもしれませんが、エヴォラの魅力が少しでも伝われば嬉しいです。

この記事は2021年9月時点の情報に基づき執筆しています。訪問される際は最新の情報をご確認ください。
アクセス


リスボンからエヴォラへの移動は長距離バスの利用が便利です。
本数が少なくてやや不便ではありますが、急行列車の利用も可能です。
ここでは、両方の行き方についてご紹介します。
長距離バス
エヴォラ行きの長距離バスは、地下鉄のJardim Zoológico駅から徒歩ですぐの場所にあるSete Riosバスターミナルから出発します。
ほぼ1時間に1本の頻度で運行されており、エヴォラまでの所要時間は約1時間半です。
チケット代は下表の通りです。チケットはインターネットでもバスターミナルの窓口でも購入できます。
年齢 | 乗車料金(€) |
---|---|
シニア(65歳~) | 10.60 |
大人(30歳~64歳) | 12.50 |
若者(13歳~29歳) | 10.60 |
子供(4歳~12歳) | 9.40 |
急行列車
エヴォラ行きの電車はOriente駅から出発しています。
Oriente駅を出発した後、リスボン中心部ではEntrecampos駅とSete Rios駅に発着しますので、最寄りの駅をご利用ください。
Oriente駅からEvora駅までの所要時間はバスと同じ約1時間半です。
チケット代は1stクラスで€16.55、2ndクラスで€12.45です。
1日3本程度しかないので、ご利用の際は事前に公式サイトで発着時間を確認することをお勧めします。
見所
ここからは、エヴォラ観光の見所をご紹介します。
ローマ神殿(ディアナ神殿)


イベリア半島で最も大きく保存状態のよいローマ神殿の1つ。
コリント式のオーダー(柱を中心に床から軒までのセット)を持つ神殿であり、1世紀の初めに建てられました。
ローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスを祀るために建てられた神殿ですが、狩猟の女神であるディアナに敬意を表して建設されたという俗説が17世紀に広まったことから、ディアナ神殿とも呼ばれています。


長い歴史の中で部分的な破壊などを受けてきましたが、19世紀後半に大規模な修復が行われました。
今でもエストモレス産の白い大理石で造られた柱頭が遺っています。
エストモレスはエヴォラから北東へ約45kmほどに位置する町で、大理石の産出で有名です。


ローマ神殿はアクロポリス(高台)にあります。長距離バスのバスターミナルからは徒歩で20分程です。
エヴォラ大聖堂


1280年頃に着工、1350年に完成したポルトガルで最大級のゴシック様式の大聖堂。
博物館も併設されており、宗教的なもしくは文化的な芸術作品を見学することができます。
博物館を含めてすべての場所・施設を訪問できるチケットは€4.50、博物館を除くすべての場所を訪問できるチケットは€3.50です。
現在のバロック様式の主礼拝堂はポルトガル王であったジョアン5世の支援によって18世紀に建築されました。


中央身廊の金色の祭壇には、Our Lady of “O”(受胎したマリア像)と呼ばれる15世紀に造られた彫刻があります。


大聖堂の屋上はテラスになっており、エヴォラの町はもちろん、町の外に広がる平原まで一望することができます。
エヴォラ大聖堂はローマ神殿と同じくアクロポリスにあります。長距離バスのバスターミナルからは徒歩で16分程です。
ロイオス教会・修道院


ディアナ神殿の隣に15世紀に建てられたゴシック様式の教会。
1485年頃に、最初のオリベンサ伯爵、D. ロドリゴデメロの主導で家族のための神殿として建てられました。
身廊の内壁はアズレージョと呼ばれる伝統的な装飾用タイルで飾られています。
アズレージョは18世紀初期のもので、ヴェネツィア初の総主教である聖ローレンス・ジャスティニアーニの生涯が描かれています。


ロイオス教会に併設されているロイオス修道院は、現在はポサーダ(中世の古城や歴史的な建物を改修したホテル)として活用されています。
1755年のリスボン地震によって損傷していましたが、1965年に改修され、ポサーダとして再び活用されることとなりました。
僧侶の独房として用いられていた部屋を客室に改装するなど、かつての建物の面影が残るユニークなホテルです。


ロイオス教会・修道院はローマ神殿の隣にあります。ローマ神殿と合わせての観光をお勧めします。
エヴォラ大学


1559年に後のポルトガル王であるD. エンリケ枢機卿によって既存のColégio do Espírito Santoを基に設立されたポルトガル国内で2番目に古い大学。
教皇パウルス4世からも承認を受けて、大学の管理はイエスズ会によって行われました。
1759年にポルトガルからイエスズ会が追放されたため、エヴォラ大学も閉鎖されることとなりましたが、1973年から再び活動を再開しました。
Colégio do Espírito Santoは中央に噴水を持つ壮大なルネサンス様式の回廊が特徴的な建物です。
回廊の中央部にある柱廊玄関は、壮麗な彫刻で彩られています。


回廊や教室の壁はアズレージョで飾られており、中でも教室のアズレージョはそこで教えられた教科にまつわるものとなっています。
Colégio do Espírito Santoはガイド付きツアーが開催されています。入場料は€3.00、音声ガイドは€1.50です。
ガイド付きツアーの詳細はこちらからご確認ください。


エヴォラ大学は街の東側にあります。長距離バスのバスターミナルからは徒歩で20分強です。
10月5日通り(Rua Cinco de Outubro)


ジラルド広場から東側、エヴォラ大聖堂の方角に延びる通り。
お土産屋やカフェなどが立ち並び、観光客で賑わっています。
中でも、アレンテージョ地方の名産品であるコルクを用いたお土産品が数多くあります。
実は、全世界のコルク生産量の約52%がポルトガルで生産されるほど、ポルトガルはコルク大国です。
旅の思い出に、自分へのお土産を選ぶのもよいかもしれません 😉
通りの入り口であるジラルド広場までは、バスターミナルから徒歩で12分ほどです。
まとめ
この記事ではアレンテージョ地方の中心都市、エヴォラの観光スポットをご紹介しました。
エヴォラは「エヴォラ歴史地区」として世界遺産に登録されていることからもわかる通り、貴重な建築物を遺す街です。
リスボンからの日帰り旅行も可能なほど、リスボンからの交通の便が良い所もお勧めのポイントです。
リスボンを観光で訪れた際は、エヴォラに足をのばすことを検討してみてはいかがでしょうか?
以上、「リスボンから日帰り観光ー世界遺産の町「エヴォラ」のおすすめ観光スポット」でした。
コメント