台北101は、2004年に竣工した台湾で最も高い超高層ビルです。
地上101階、地下5階、高さ509.2mの建築物であり、竣工当時は世界で最も高い高層ビルでした。2021年10月現在では、高さランキングは12位となっています。
設計は台湾の設計事務所「李祖原建築師事務所」、施工は日本のゼネコン「熊谷組」が手がけています。
事務所や商業施設として使われており、高層階には展望台があるなど、観光客に人気のスポットです。
この記事では、展望台を中心に台北101の見所をご紹介します。

この記事は2021年10月時点の情報をもとに記述しています。実際に現地を訪れす際は最新情報の確認をよろしくお願いします。
展望台


台北101の高層階には以下の3つの展望台があり、それぞれから台北市の景色を楽しむことができます。
- 89F Cityview360
- 91F The Horizon
- 101F/RF Skyline460
ここでは、一つずつ展望台についてご紹介します。
89F Cityview360


89階にある高度382 mの展望フロア。いくつかのショップがあり、ここではお土産を買うことができます。
台北101のマスコットキャラクターの「ダンパーベイビー」のグッズも販売されています。


91F The Horizon


91階にある野外デッキ。
89階から階段で上がれるようになっており、89階の展望台で見るガラス越しの景色とは違った風景が直接楽しめます。
また、振り返ると台北101のさらに高層階を見上げることができます。


101F/RF Skyline460


台北101の最上階、101階にある高度460 mの展望台です。
以前はVIPにしか解放されていなかったエリアですが、開業15年目にして初めて一般に公開されるようになりました。
ガラス越しではなく直接楽しむことができる大パノラマの景色はまさに絶景です。
この展望台チケットには、記念写真やクラウドコーヒーなどのサービスがついてきます。
屋外展望デッキでの空中散歩を楽しむため、当日はスカートやヒールでの訪問は控える必要がありますのでご注意ください。
チケット
それぞれの展望デッキを楽しむためのチケットの価格は下表のとおりです。
年齢 | 一般チケット(88,89,91階利用) | Skyline460チケット(88,89,91,101階利用) |
---|---|---|
大人 | 600 | 3,000 |
学生 | 540 | 3,000 |
Skyline460の利用は、Cityview360と比較するとかなり割高ではありますが、お金に余裕があればぜひご検討ください。
また、現地ツアーや施設チケットなどを誰でもすぐに検索・予約できる旅先体験予約プラットフォームのKlookから予約すると割引価格で利用できる場合があります。
チケットのネット予約もできますので訪問の際は事前にご確認いただくことをお勧めします。


超高速エレベータ


地上5階から89階の展望台に素早く上がるために、台北101には2004年当時世界最高速度を誇った東芝エレベータ製の超高速エレベータが設置されています。
最大速度は分速1,010 m(時速60.6 km)であり、当時は世界最高速のエレベータとしてギネスブックに認定されています。
地上5階から89階の展望台までわずか37秒で到着する速度は、現在でも世界第4位の速さです。
このエレベータは速度だけではなく、快適性でも多くの工夫がなされています。
例えば、世界初の気圧制御システムが導入されており、高層階へ高速移動した際に起きる気圧差による耳詰まりが起きにくいように、気圧の変化が一定になるような制御がなされています。
また、高速移動による振動やエレベータのすれ違いの際に生じる衝撃を減少させる制振装置が導入されており、立てたコインが倒れることがないほど運行時の振動が少ないことが知られています。
風制振装置


台北101のような超高層ビルは風による影響を受けやすく、風による影響を軽減することが求められます。特に台北は台風が頻繁に通過する場所に位置するため、暴風対策が必要です。
これらの影響を軽減するため、台北101には巨大なTMD(Tuned Mass Damper)が設置されています。
TMDとは、建物の高層階に大きな振り子を設置して、建物が風の影響などで振動した際に振り子が少し遅れて反応することを利用して建物の振動を小さくする装置です。
振り子の大きさは、建物の大きさに比例して大きくする必要があります。
建物重量が700,000 tonにもなる台北101に設置されている振り子の重さは660 tonもあります。


この振り子の錘(おもり)は、直径約5.5 m、厚さ12.5 cmもある鉄板を41層も重ねて造られています。
振り子の振動を減衰させる目的で、この錘には8本のオイルダンパーが設置されています。
このダンパーによって、振り子が振動した際の振動エネルギーが吸収されます。


TMDは金色に塗装されており、88~89階の見学フロアでその全景を見ることができます。
このTMDは、台北101のマスコットキャラクターである「ダンパーベイビー」のモチーフになっており、お土産屋ではダンパーベイビーのキャラクターグッズを購入することができます。


アクセス
台北101を訪問する際はMRTの利用が便利です。
MRTの淡水信義線(レッドライン)の台北101駅を下車し、4番出口からすぐです。
台北の中心、台北車站から台北101駅までは15分程度です。
レストラン


台北101には沢山のレストランもあります。
その中でもおすすめなのは、地下1階にある「鼎泰豐(ディンタイフォン)」です。
鼎泰豊は、1993年にニューヨークタイムズで「世界の人気レストラン10店」の1つに選ばれるなど、台湾を代表するレストランの1つです。
看板料理は小籠包を代表する点心料理です。ぜひ、台湾を訪れた際は本場の味をご堪能下さい。
まとめ
この記事では、展望台を中心に台北101の見所をご紹介しました。
竣工当時、世界で最も高い高層ビルであった台北101には、風制振装置や超高速エレベータなど、知られざる技術が使われています。
これらを知ったうえで訪問すると、また違った楽しみ方ができると思います。
以上、「台湾で最も高い超高層ビル【台北101】の展望デッキで楽しむ大パノラマ絶景」でした。
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