世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」から函館市郊外にある「垣ノ島遺跡」と「大船遺跡」に訪問しました

大船遺跡の再現された竪穴建物
大船遺跡の復元された竪穴建物

2021年7月に日本から新たに2カ所が世界遺産に登録されました。

1つは自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」であり、もう1つが文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」です。

この記事では文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」のうち、北海道函館市郊外にある遺跡についてご紹介します。

まだ登録決定したばかりの世界遺産なので、ご存じの方も少ないかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

ひー

この記事は2021年12月時点の情報を基に作成しています。訪問の際は最新の情報のご確認をよろしくお願いします。

目次

北海道・北東北の縄文遺跡群とは?

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「北海道・北東北の縄文遺跡群」は北海道南部と北東北にある17の縄文遺跡から構成されています。

それぞれの遺跡は、国が文化財保護法に基づき指定した特別史跡もしくは史跡です。

縄文時代は約15,000年前から約10,000年以上もの長期間にわたり続きました。

農耕を行うことなく、採集・漁労・狩猟を基盤とした生活を行い、ムラを形成して定住を達成するという、世界の他の地域とは異なる文化を持っていました。

その貴重性が認められ、北海道・北東北の縄文遺跡群は2021年7月に世界遺産へ登録が決定しました。

函館市周辺には、「垣ノ島遺跡」と「大船遺跡」の2つの遺跡があり、遺跡跡を見学することができます。

史跡「垣ノ島遺跡」

垣ノ島遺跡の入り口
垣ノ島遺跡の入り口

垣ノ島遺跡は函館市臼尻町にある縄文時代早期前半~後期後半(約9,000年~3,000年前)にかけて存在した縄文人の集落跡です。

約6,000年間の長期間にわたり縄文人が暮らしたこの地域の中心的なムラです。

垣ノ島遺跡の全景
垣ノ島遺跡の全景

長さ190m、幅120mもある国内最大級の盛土遺構などが残されています。

盛土遺構は土砂を特定の場所に盛り上げたものであり、貝などの食事跡や土器、石器などあらゆるモノの魂を送るための「送り場」として利用されていたと考えられています。

垣ノ島遺跡の盛土遺構
垣ノ島遺跡の盛土遺構

縄文人は、地面を掘り下げて床面とした竪穴建物で暮らしており、掘られた跡が今も残されています。

垣ノ島遺跡の竪穴建物跡
竪穴建物の跡

垣ノ島遺跡の目の前の海は暖流と寒流がぶつかる豊かな漁場となっています。

また、反対側にはクリ林が広がっており、豊かな水資源と山資源に囲まれた環境から、農耕をすることなく定住することができたことが伺えます。

垣ノ島遺跡から海を見た眺望
垣ノ島遺跡から海を見た眺望

コの字型をした盛土遺構の内側は周囲と比較すると低くなっていますが、その中心部に約10m四方の一段高くなった場所、丘状遺構があります。

ここから、配石遺構やお墓、「青竜刀形石器」などの実用ではない石器などが見つかっていることから、祭祀や儀礼をおこなう場所であったと考えられています。

垣ノ島遺跡の丘状遺構
垣ノ島遺跡の丘状遺構

料金・公開時間

垣ノ島遺跡は入場無料です。

管理スタッフが常駐しており、1日3回解説を実施しています。

12月29日から1月3日の年末・年始は休場しています。

公開時間は下記の通りです。 冬期間は早めの閉場となりますのでご注意ください。

時期 公開時間
4月1日~10月31日9:00~17:00
11月1日~3月31日9:00~16:00
垣ノ島遺跡の公開時間

史跡「大船遺跡」

大船遺跡の全景
大船遺跡の全景

大船遺跡は函館市臼尻町にある縄文時代前期後半~中期後半(約5,500年~4,000年前)にかけて存在した縄文人の集落跡です。

大船遺跡には竪穴建物が復元されており、当時の住居の様子を見ることができます。

大船遺跡の骨組みが復元された竪穴建物
骨組みが復元された竪穴建物

大船遺跡の竪穴建物は規模が大きく、竪穴の深さが2m以上もある住居跡も見つかっています。

大船遺跡の特徴は、重なり合うほど高い密度で竪穴建物の跡が発掘されていることです。縄文時代中期(約4,500年前)の竪穴建物跡が120軒以上発掘されています。

大船遺跡の竪穴建物の跡
竪穴建物の跡

大船遺跡の盛土遺構からは、マグロやサケなどの魚や貝類の他に、クジラやオットセイなどの海獣類の跡も出土しており、豊富な水産資源と森林資源があったことが分かっています。

大船遺跡の盛土遺構
盛土遺構

大船遺跡には「史跡大船遺跡管理棟」が併設しています。

史跡大船遺跡管理棟
史跡大船遺跡管理棟

管理棟では、遺跡の模型や北海道・北東北の縄文遺跡群の紹介パネルなどが用意されています。

史跡大船遺跡管理棟内の各遺跡紹介パネル
史跡大船遺跡管理棟内の各遺跡紹介パネル

管理棟の横には木の実や肉をすりつぶすために利用されていた石皿が無造作に置かれています。

大船遺跡の石皿
石皿

料金・公開時間

大船遺跡へは入場無料です。

管理スタッフが常駐しており、1日2回解説を実施しています。

12月29日から1月3日の年末・年始は休場しています。

公開時間は下記の通り、垣ノ島遺跡と同じです。

時期公開時間
4月1日~10月31日9:00~17:00
11月1日~3月31日9:00~16:00
大船遺跡の公開時間

函館市縄文文化交流センター

函館市縄文文化交流センター
函館市縄文文化交流センター

函館市縄文文化交流センターは垣ノ島遺跡に隣接している施設であり、函館市の縄文史跡から出土した様々な遺物を展示しています。

目玉は、北海道で唯一の国宝「中空土偶」の常設展示です。

中空土偶は旧南茅部町(現函館市)の著保内野遺跡(ちょぼないのいせき)で出土した土偶で、2007年に国宝に指定されました。

新函館北斗駅にある中空土偶のパネル
新函館北斗駅にある中空土偶のパネル

その他にも、縄文ペンダントづくりや組みひもアクセサリー作りなどの縄文体験メニューも開催しています。

垣ノ島遺跡と合わせての見学をお勧めします。

料金

函館市縄文文化交流センターの入館料は下表の通りです。

函館市内居住の65歳以上の方は半額、函館市内在住または市内の学校に通う小中学生は無料になるなどのサービスもありますので該当の方はご留意ください。

年齢入館料(円)
一般300
学生・生徒・児童150
未就学児無料
函館市縄文文化交流センターの入館料

営業時間

函館市縄文文化交流センターの営業時間は下表の通りです。

時期営業時間
4月1日~10月31日9:00~17:00
11月1日~3月31日9:00~16:30
函館市縄文文化交流センターの営業時間

施設の休館日は毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、最終金曜日、年末年始です。

垣ノ島遺跡や大船遺跡と休館日が違いますのでご注意ください。

アクセス

大船遺跡の再現された竪穴建物

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