五稜郭公園と言えば桜が有名な観光地です。星形の城塞に咲き誇る桜は大変綺麗です。
一方で、江戸時代後期には、北海道の政治的中心の役割を果たす函館奉行所が設置されたり、函館戦争の最終決戦地となったりなど、日本近代史の中で大きな役割を果たしてきましたという側面も持ちます。
この記事では、そのような五稜郭公園の歴史や見所をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

この記事は2021年12月時点の情報を基に作成しています。訪問の際は最新の情報のご確認をよろしくお願いします。
五稜郭の概要と歴史


五稜郭は函館奉行所の防御施設であり、中世ヨーロッパで発達した城塞都市を参考に設計された西洋式土塁です。
当初、函館奉行所は函館山の麓にありましたが、港から近く、有事の際の防衛に不安があることから、港から3km程内陸に入った現在の位置への移設が計画されました。
1857年の春から五稜郭の工事が始まり、函館奉行所が竣工したのは1864年のことでした。五稜郭の工事が始まってから約7年間の期間を経て完成に至りました。
完成以来、北海道の政治的中心地として利用されることが期待されていましたが、明治政府と旧幕府脱走軍の戦争「函館戦争」の最後の舞台となった後は殆どの建物は解体され、歴史の表舞台から退きました。その後、1914年(大正3年)に公園として開放されるようになりました。
1952年(昭和27年)、五稜郭跡は学術上きわめて価値が高いことから、北海道で唯一の特別史跡に指定されました。
長い間、五稜郭跡は土塁や石垣が残るだけでしたが、2006年(平成18年)に函館奉行所の一部復元工事が着工、4年後の2010年(平成22年)に復元工事が完了し、一般に開放されるようになりました。
見所
五稜郭公園の正面入り口は特別史跡の石碑が置かれています。
一の橋を渡った先が半月堡です。


半月堡は西洋式土塁に特徴的な三角形状の出塁であり、出入口を防御するための場所です。
半月堡からは五稜郭タワーが綺麗に見えます。絶好の撮影ポイントです。


半月堡から二の橋を渡ると五稜郭内に入れます。


藤棚をくぐった先が函館奉行所です。
函館奉行所の総面積は約3,000m2ありますが、建物が復元されているのはそのうち1,000m2の範囲です。


残りの2,000m2は地面に部屋割りが描かれています。


復元された建物内は「再現ゾーン」「歴史発見ゾーン」「映像シアター」「建築復元ゾーン」などがあり、見学できるようになっています。
また、函館奉行所以外にも、仮牢跡や公事人腰掛跡、板倉などの建物跡が遺されています。
料金
五稜郭公園の見学は無料です。
ただし、函館奉行所に入館するには以下の入館料が必要です。
年齢 | 入館料(円) |
---|---|
一般 | 500 |
学生・生徒・児童 | 250 |
未就学児 | 無料 |
開園・開館時間
五稜郭公園の郭内の開園時間と函館奉行所の開館時間は下表の通りです。
時期 | 郭内 | 函館奉行所 |
---|---|---|
4月1日~10月31日(夏期) | 5:00~19:00 | 9:00~18:00 (17:45受付終了) |
11月1日~3月31日(冬期) | 5:00~18:00 | 9:00~17:00 (16:45受付終了) |
年末年始(12月31日~1月3日)は函館奉行所の休館日となります。
郭外は常時解放されています。
アクセス
五稜郭公園へは函館バスの利用が便利です。
函館バスの「五稜郭公園入口」停留所から徒歩約10分です。
本数は少ないですが、同じく函館バスが運行している「五稜郭タワー・トラピスチヌシャトルバス」を利用すると、「五稜郭タワー前」停留所から徒歩約3分と五稜郭公園近くまでバスで行くことができます。時間が合えばぜひご利用ください。
市電を利用する場合は「五稜郭公園前」電停から徒歩約15分と、バス停から歩くよりも少し時間がかかります。
まとめ
この記事では函館観光のマストスポットの1つである五稜郭公園についてご紹介しました。
北海道唯一の特別史跡であり、江戸後期から始まる近代の歴史を色濃く残す場所です。
隣接する五稜郭タワーと併せての訪問をお勧めします。
以上、「函館戦争の最終決戦地、函館奉行所が復元された五稜郭公園」でした。
五稜郭公園
住所:函館市五稜郭町44番地
営業時間:年中無休(函館奉行所は12月31日から1月3日まで休館)
URL:https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014011601161/
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